●白馬岳:(中部山岳国立公園)
白馬岳は日本アルプス:後立山連峰の北部に位置する秀峰である。 夏のこの時期、最も賑わいをみせる。大雪渓と高山植物のお花畑が登山者を魅了する。
山名の由来:
現在、信州側の白馬村は「ハクバ」と呼ばれているが、山名は「シロウマ」。 かつて山麓の人々に農作業、とりわけ田植えの時期を知らせた雪形から。 「代かき馬」→「代馬(しろうま)」→「白馬」となった。
雪形: 春、雪解けとともに山肌に残雪や雪の消えた岩肌によって形作られる人・動物・物の形。
雪形で有名なのは、白馬岳にも近い爺ヶ岳の「種まき爺さん」や五竜岳の「御菱」。
特徴:
白馬岳といえば、日本三大雪渓に挙げられる「白馬大雪渓」、高山植物のお花畑、ハイマツ帯の雷鳥、と見所が豊富な山である。
大雪渓は年によって状況が違うので最新の情報を入手したい。雪渓の始まる白馬尻付近には状況を記した表示板があるので必ず確認してから沢筋に入ろう。 特に濃霧の時は雪渓上の浮き石の落下、白馬杓子岳(左岸)からの落石に注意し、午後2時以降の入山は極力避けたほうが無難。 夏のシーズン中は赤のベンガラでトレースがあり、急斜面にはステップが切ってあるが滑り止めに軽アイゼンを使うと安心できる。(過信は禁物、特に下山時は細心の注意を!) 雷鳥の親子(1989.8) コマクサなどの高山植物や雷鳥に出逢える確率は、他の山域に比べ非常に高い。
気象条件:
白馬連峰(後立山連峰)は、南北に延び東西非対称で東面は急峻で西面は比較的なだらかである。西からの季節風の影響を受けやすく気象変化がが激しい。
特に、冬季の降雪は非常に多く、残雪は7月頃まで見られる。 (登山対象は止め、山腹に数多くあるスキー場で!)
春、関東地方に大雪を降らせる、南岸低気圧の通過前後は、急激な気象変化が起き易い。
梅雨期以降、夏期は登山に最適期ではあるが、午後は雲が発生しやすく稜線での雷雨・霧には注意が必要。 気温も朝は10゜C程度になる場合がある。
紅葉の見頃は10月上旬〜下旬。初雪もこの頃。
下山の楽しみ方:
山頂からの下山は四方にあり、それぞれ特徴のある楽しみ方がある。
●南:白馬鑓ヶ岳→鑓温泉→猿倉 鑓温泉の露天風呂。
●西:祖母谷温泉→欅平→宇奈月温泉 祖母谷温泉まで8時間を要す。体力勝負
●北:白馬大池→栂池 雷鳥に遭遇できるかも。
●東:大雪渓→猿倉 雪渓の下山。滑落に注意!
白馬岳山頂(2,933m)
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